こんなBCPはイヤだ!「効果的なBCP」とは?
2017.04.24更新
BCPとは何かについては、
で概略を書いてみました。
今回は一歩踏み込んで、「効果的なBCP」とは何かについて考えてみたいと思います。たとえBCPを策定しても、有事の際にそれが機能しなければ、全く意味がありません。策定しただけで満足してしまってはダメなのです。
それでは、効果的なBCPとはどんなものなのか、考えていきましょう!
「効果的なBCP」とは?
決して大企業のBCPを批判するつもりはありませんが、効果的なBCPを策定するという意味で、大企業などが定めていると思われるBCPが、実際に中小企業で機能するかどうかについて考えてみます。
大企業や公的機関、金融機関などが定めているBCPは非常に細かく、想定される災害毎に定められていると思います。
イメージですが、国語辞典くらいの厚みのあるファイルがいくつかあるような状況でしょうか。
- それらのファイルには埃が・・・
- 大企業ともなると、前任者が管理していて現任者は存在すら知らなかった・・・
なんてことも想像されますが、どうでしょうか。
もし、立派なBCPを策定していたとしても、そのような状況だとしたら、有効に機能するとは思えませんよね。
そうでなかったとしても、実際災害が起こった時に、辞書のようなBCPが有効に機能するでしょうか。
その現場に居合わせたことはありませんが、おそらく効果的には機能しないと思います。
立派なBCPがあるにもかかわらず、何故でしょうか。
必要としている情報を探しにくい
まず考えられるのは、ボリュームのあるBCPの場合、単純に必要としている情報を探しにくいことが考えられます。
緊急事態の最中、タスクがたくさんある状況下で、辞書のようなBCPを一項目ごとに確認して実行するのは難しいですよね。
文字だけのBCP
もう一つは、辞書のような文字だけのBCPなども効果的に機能しないと思います。
緊急事態の最中に対応策がひたすら文字で書かれていても、読んで理解して実行するのは難しいでしょう。少なくとも、私には難しいです。
演習、訓練を行なっていない
そして、これが一番重要なのですが、BCPを策定した後、最低でも年に一回程度、自然災害等を想定した演習、訓練を行なっていないことが考えられます。
皆さん、火災等を想定した避難訓練の経験は人生で一度くらいはありますよね?
BCPを要するような自然災害等は天気予報のように予想できません。
演習や訓練をしていないと、事業の継続に影響をおよぼすような自然災害等が発生した時に、ぶっつけ本番で対処しなければなりません。
いくら立派なBCPがあったとしても、それでは効果的に機能しないことが容易に想像できますよね。
つまり「効果的なBCP」とは?
では、「効果的なBCP」とはどんなものでしょう。
効果的なBCPとは、
- 「必要な時」に、
- 「必要としている人」が、
- 「必要な情報」をすぐに確認出来て、かつ、実行できるもの
だと考えます。
具体的には、
- 役員の方が確認、実行すべきものを定めたBCP
- システム担当者が確認、実行すべきものを定めたBCP
- 人事・総務担当者が確認、実行すべきものを定めたBCP
- 営業担当者が確認、実行すべきものを定めたBCP
- 経理担当者が確認、実行すべきものを定めたBCP
などが別冊で定められているといったイメージです。
誰が見てもわかりやすいものを作成することがポイント
そして、それぞれのBCPにはフローチャートやチェックリストなどを用いて誰が見てもわかりやすいものを作成することがポイントです。
もちろん、企業の規模や業態に応じて作成する必要がありますので、上記の限りではありませんが、、、。
定期的に演習・訓練を行うことが大切
加えて、定期的に演習・訓練を行うことが大切です。
先に書いた通り、ぶっつけ本番ではいくら効果的なBCPがあったとしても、効果が半減してしまいますからね。
それぞれのBCPについての概略、演習・訓練の実施方法については次回以降に書いていきたいと思います!