建設業者向けのBCP
2017.08.02更新
今回は建設業者向けのBCPのお話です!
災害発生時の建設業者の重要性
例えば大地震などの自然災害が発生したとき、早期復興に向けて、地域が頼りにする業種のひとつが建設業者です。
インフラ復旧工事や仮設住宅の建設などにはスピード感が求められるところですが、災害発生に伴い、建設業者の事業が停止してしまうと、比例して被災地の住民への影響も大きくなってしまう可能性があります。
従って建設業者がBCPを定めることはとても重要であると言えるでしょう。
では、建設業者のBCP策定率ってどのくらいか知っていますか?
以前にも紹介しましたが、帝国データバンク社において実施された「事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査(2017 年 5 月)」の調査結果によると、建設業者のBCP策定率は13.5%だったそうです。
とても少ないですね。
是非、建設業経営者の方々には、前向きにBCPの策定を検討していただきたいです。
そこで、今回は前向きにBCPの策定を検討いただくため、建設業者にとってプラスになる制度を紹介します!
「事業継続力認定制度」をご存知ですか?
建設業者を対象とした、事業継続力認定制度って聞いたことありますか?
建設業者が備えている基礎的事業継続力を地方整備局が評価し、適合した建設業者に対して、認定証の発行と、当該建設業者名を公表する制度です。
建設業者のBCP策定を促進することと、災害対応業務の円滑な実施、地域防災力の向上などを主な目的としています。
その評価基準の詳細は、各地方整備局毎に異なる可能性がありますが、関東地方整備局では「BCPの策定有無ではなく、基礎的な事業継続力(=BCP策定の取組姿勢)を評価する」としています。
具体的には、多くの会社で定めている災害時の対応体制の有無に加えて、災害が発生した場合にその体制が整うまでの時間の把握、そして、その体制が実効的なものかどうかを確認されます。
この制度(認定証と業者名の公表)は、有効期間が2年です。
そのため、継続したい場合は継続申請をする必要があります。
継続申請では、認定期間中の実施記録(訓練や点検)の添付が求められているので、形式的な体制整備ではなく、実質的な部分が評価されているということになります。
実質的な部分が評価されるということは、認定証の交付を受けることにより、対外的に安心感や信用性を与えることができるので、経営的にもプラスになるのではないかと考えます。
「防災協定」で経営事項審査の点数をランクアップ!
BCPとは少し話がズレますが、防災協定を締結している建設業者は、経営事項審査において、加点されます。
防災協定とは、建設業者等が国や地方公共団体、特殊法人等と災害発生時における防災活動について、協定を締結するものです。
建設業者が直接に国等と協定を締結することは多くないと思われますが、建設業協会等の団体が防災協定を締結していることが多いので、当該団体に加入し、防災活動に一定の役割を果たす
ことが確認できれば、加点対象となります。
経営事項審査の点数アップ(ランクアップ)を目指す建設業者は検討されても良いかもしれません。
一般的なBCPと建設業者向けのBCPとの違い
さて、話をBCPに戻しますが、建設業者特有のBCP策定についてお話します。
一般的にBCPとは、「事業の継続に影響を与えるような災害が発生したとき、如何に事業に与える被害を最小限に留めるか、如何に主要業務を早く復旧させるかといった計画を予め社内で定めること」と定義することができます。
当然、建設業者においてもその目的は同じですが、建設業者はもうひとつの目的を考えながらBCPを策定する必要があるのです。
それは、自然災害発生後、新たに発生するインフラ復旧工事、自社施工物件や施工中物件などに対応するための体制整備です。
とりわけ、防災協定を締結している企業は、インフラ復旧工事などに早急に対応する必要が出てきます。
また、防災協定を締結していなくても、自社の施工物件については、責任をもって管理・対応しなければなりません。
BCPを策定する際は、通常の事業継続計画に加え、災害発生後に新たに発生する業務についても対策漏れがないように気をつけましょう。
BCP策定支援・行政書士と連携してご相談に対応
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