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BCPコラム

「効果的なBCPとは(その2)」と「BCPを機能させるための演習・訓練の方法」

2017.05.07更新

前回は、BCPが必要となる災害とはどんなものかについて考えて書いてみました。

今回は、「効果的なBCPとは(その2)」と「BCPを機能させるための演習・訓練の方法」について書いていきたいと思います。

効果的なBCPとは(その2)

結論から言うと、効果的なBCPを策定するならば、災害毎に定めたらダメです
BCPを必要とする災害がたくさん考えられることは前回の記事からお解りいただけたと思います。

自分の事業に影響を与えると想定される全ての災害について、災害毎のBCPを定めるのって無謀だと思いませんか?
高いコンサルティング料を支払い、やっとのことで完成したBCPに定めていない想定外の災害が発生して、その結果ほとんど機能しなかったらどうしましょう?

では、たくさんの災害を合理的に網羅するためにはどうすればよいか、考えてみましょう。

原因ではなく、結果に着目すると合理的かつ効果的なBCPが策定できます

例えば「停電」という結果から考えてみましょう。停電が発生する原因としては、地震や落雷、人為的なミス、計画停電など、様々な原因が考えられます。

停電という結果に着目すると、ひとつのBCPで足りますが、原因に注目すると、地震や落雷(自然災害)、人為的なミス(事故)、計画停電(ライフラインの停止)など、たくさんのBCPが必要となってしまいます。

結果に着目したBCPを策定することにより、予測していなかった災害が発生した場合でも、その結果が同じであれば、すみやかにBCPを実行できるようになるのです。

原因ではなく、結果に着目したBCPを策定しましょう!

BCPを効果的に機能させるための演習・訓練の方法

以前の記事で書いたように、どんなに立派なBCPが準備されていたとしても、それが機能しなければ意味がありません。
有効に機能させるためには、定期的な演習・訓練が必要であることも書きました。

今回は、策定したBCPを最大限に機能させるために必要な演習・訓練の方法について紹介します。
演習・訓練の方法は、特にこうするべきといった決まりがあるわけではないので、各企業の規模に応じて進めていけば良いかと思います。

BCPを策定されましたら、例えば次のような流れでレベルアップさせていくのも良いでしょう。

《前提条件》役員を含む全ての従事者に、BCPの存在と内容を周知

役員を含む全ての従事者に、BCPの存在と内容を周知しましょう。

せっかく策定したBCPの内容を全ての従事者が知らないと、効果的なBCPにはなりません。

《レベル1》担当者及び役員において、BCPの読み合わせ

この段階では、BCPの内容についてより深い共通認識をもつことが大切です。読み合わせをしながら、抜けや漏れがないかをチェックしましょう。

また、読み合わせの中でより良い案が出てくる可能性もありますので、適宜改善していきましょう。

《レベル2》役員を含む全従事者を対象とした安否確認

安否確認の方法は企業毎に異なりますが、◯◯時◯◯分に◯◯県◯◯市を震源とする震度◯◯の地震が発生!などと予め設定したうえで、BCPに従って安否確認を実行してみましょう。

問題なく安否確認が完了したか、安否確認が完了するまでの時間は妥当だったか、改善点はなかったかなどの検証が重要です。

《レベル3》BCP発動シミュレーション

具体的な災害と、それに伴う被害を予め仮定し、安否確認後、BCPを実行してみましょう。

実際に災害が発生しているわけではないので、これを会議室などで行います。
いわゆる「机上演習」と言われるものです。

事業の継続に影響を与えるような災害が発生した場合、役員や各担当者は、BCPに従って、事業への影響を最小限に抑え、少しでも早く事業を再開できるように行動する必要があります。

シミュレーションすることにより、読み合わせでは気付かなかった抜けや漏れがあるかもしれません。
改善点も出てくるはずです。

反省点も踏まえて、より良いBCPにするために適宜改善していきましょう。

《レベル4》BCP発動シミュレーション中に想定外の二次災害を加える

イレギュラーな二次災害が発生した場合に、対応できるかどうかを確認することが目的です。
対応できなかった部分については、どうすれば対応できたか、より良い対応策はなかったかを考えましょう。

これを繰り返すことにより、BCPに直接定められていないような事象にも臨機応変に対応できる力が養われます。
また、必要に応じてBCPを改善しましょう。

策定後に定期的な演習・訓練を行い、その結果を踏まえてBCPを改善する

演習・訓練の方法は他にもたくさんありますので、上記はごく一部です。
BCPを有効化するためには、策定後に定期的な演習・訓練を行い、その結果を踏まえてBCPを改善することが重要です。

次回以降は、「BCPの策定方法」や「効果的なBCPの詳細」について書いていきます!