「BCP」と「防災計画」は何が違う?
2017.04.24更新

「BCP(事業継続計画)」と「防災計画」。似ているようにも思われますが、定義は異なります。
「BCP」と「防災計画」の違い
例えば、大規模な自然災害が発生したときに一番最初に守るべきものは人命です。金銭的な損失は後で稼ぐこともできますが、人命だけは一度失ったら戻ってきません。
従って、企業としてまず優先すべきは、①役員や社員、アルバイトなど(ヒト)の安全確保、②会社の保有資産(モノや情報)の保護だと考えられます。
これらヒトやモノを守ることを目的とした計画を、「防災計画」と言います。
BCPと比べると、防災計画のほうが馴染みがあるのではないでしょうか。
防災計画の定義
自然災害、感染症、事故、テロ行為などが発生した時に如何に人命や財産を守るかについての計画を予め定めるもの。
人命と財産に注目して、生存率やどの程度財産を守れたかが評価対象となります。
それに対してBCPは以下のように定義されています。
BCPの定義
自然災害、感染症、事故、システムや通信の障害、ライフラインの停止、内部不祥事、テロ行為などが発生した時に如何に事業に与える被害を最小限にとどめるか、如何に主要業務を早く復旧させるかといった計画を予め社内で定めるもの。
あくまでも事業に注目して、その事業対してどの程度の被害で抑えたか、どのくらい早く復旧できたかが評価対象となります。
防災計画はBCPの一部だと考えています

これは当社の考えですが、防災計画はBCPの一部だと考えています。
ヒトやモノを失ってしまったら、どれだけ優れたBCPがあったとしても、実行できない可能性があります。
BCPはあくまでも事業を継続させることを目的とするものですが、事業を継続させるためには、ヒトとモノ(及び情報)が前提として必要となるからです。
BCPを策定しましょう
当然、防災計画を定めたとしても、100%ヒトやモノ(及び情報)を守れるわけではありません。
従って、BCPにおいては段階的な被害を想定したうえで、被害の程度毎に事業を復旧させるための行動を定め、ヒトとモノ(及び情報)すべてを守る準備をしましょう。