あなたの会社は大丈夫?BCPと許認可管理トラブル
2017.07.24更新
許認可管理はBCPの一部として、企業にとってとても重要なものだと考えています。
許認可管理が不十分であると、事業の継続に影響を与える可能性があるからです。
しかも、自然災害より高確率で発生するリスクだと思われます。
許認可管理が不十分な会社に生じるトラブル
許認可管理が不十分な会社に発生し得る、具体的なトラブルを紹介します。
Case1. 企業内に許認可担当者がいない(建設業者)
比較的大きな会社でも、保有する許認可を管理する担当者は1名とか2名とか、少人数で管理されていることが多いように思います。
当該会社は、許認可管理の担当者がそもそも存在しませんでした。
社長自らが担当されていたケースです。
結果として、この会社は建設業許可の更新漏れが生じました。
建設業の許可の場合、更新を希望するときは許可期限内に更新申請をしなければ、許可は失効します。
許可期限を1日でも過ぎてしまうと、新たに新規の許可申請をしなければなりません。
そうすると、新規申請の審査中は無許可業者となりますので、事業の継続に大きなダメージを与えてしまう可能性があるのです。
社長といえば経営者ですから、売上管理や営業、マーケティングなど、とても忙しいことが通常です。
一人会社などの規模であれば仕方のないことですが、このようにせっかく取得した許可を失ってしまうことを考えれば、管理の外注も検討された方が良いかもしれません。
Case2. 許認可担当者が退職してしまった(建設業者)
こちらも建設業の会社ですが、担当者が1名しかいない会社で、当該担当者が病気で退職されてしまったケースです。
引き継ぎもしっかりすることが出来ず、毎年の決算報告の仕方もわからず、変更届にも届出漏れがあるような状況でした。
結果的には、行政書士に依頼をされて、特段の問題もなく、必要な手続きを完了されましたが、次のようなケースも考えられますので、注意が必要です。
その会社は特定建設業の許可を取得していましたが、もし、たまたま更新の年だった場合、決算確定前に財産要件をチェックしないと、万が一流動比率や欠損比率などの要件を欠いた状態で決算を確定してしまうリスクがありました。
そうすると、許可要件を欠いてしまい、一般建設業の許可を取り直すことになってしまいます。
大規模な元請工事を受注されている会社であれば、これは致命的となり得るでしょう。
また、変更届の手続き漏れも、経営管理者や専任技術者の変更だった場合、変更日時点で後任者がしっかり要件を満たしていればなんとかなりますが、要件を満たしていなかったりした場合は許可を失ってしまいます。
想像するだけで恐ろしいですね。
Case3. 本社において支店の管理が出来ていなかった(宅建業者)
こちらは宅建業者のお話です。
組織再編が多い会社で、地方に宅建業の従たる事務所を新設しました。
宅建業の場合、建設業とはちょっと違う点があります。
宅建業者は、協会に加入していることが多く、協会に加入している場合は都道府県または地方整備局への届け出に加えて、別途協会への手続きも必要です。
本社から当該支店(従たる事務所)に対して協会の手続きを指示されたようですが、支店ではその重要性が認識されていなくて、結果的に1年以上の時間が経過してしまいました。
違法状態の事務所です。
その後、国交省からの指摘があり、始末書の提出と謝罪で事なきを得ましたが、最悪、業務停止処分などがあってもおかしくない事案でした。
業務停止処分になってしまうと、進行中の案件の停止や信用性の問題などが生じ、事業の継続に影響を与える可能性が高いでしょう。
管理体制の重要性が浮き彫りになった事案です。
Case4. 営業所移転に伴い、旧営業所を取り壊した(運送業者)
こちらは運送業者の事案です。
この会社は、運送業許可の手続きの流れを認識されていなかったため、営業所を新築して、完成次第すぐに移転して、旧営業所を壊しました。
建設業や宅建業であれば、事後の変更届で済むのですが、運送業の場合は事前に運輸局から移転に対する認可を得る必要があるのです。
それを知ってすぐに運輸局へ相談されたところ、始末書の添付に加えて、本来事前に申請すべき認可申請を事後に行うことで何とか許可を維持することが出来ました。
ペナルティを受けても仕方のない事案です。
許認可一括クラウド管理「マルット」の紹介
上記事案の全てに共通するのは、企業が許認可管理の重要性をしっかり認識していないこと、自社が保有する許認可の基本的な手続きの流れや業法の理解が十分にされていない点が考えられます。
当然、企業は収益をあげることが目的ですので、そこまで至らないことも理解できますし、手続きを熟知するには相当の知識と経験が必要なので、なかなか現実的でもありません。
そこで、行政書士が管理するのと同水準で企業内の担当者が自社の許認可の状況、次の手続きまでの期間管理などができて、かつ、行政書士への相談や手続きの依頼もすぐにできる仕組みはできないかと考えて、当社では許認可一括クラウド管理「マルット」を開発しました。
建設業者向けのシステムがもうすぐ公開予定で、その後、建築士事務所、宅建業者、運送業者などに対応させていき、最終的には一般的な許認可を「マルット」管理できるようにしていきます。
このシステムは、企業担当者と行政書士とがリアルタイムで情報共有することができ、重要な手続きについての手続き期限を適切なタイミングで通知する機能も備えています。
導入費用やシステムの詳細は、以下URLからご確認ください。登録無料です。
事業の継続に重要な許認可管理について、ご不安な点などありましたら、お気軽にお問い合わせください。