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BCPコラム

BCM(事業継続マネジメント)とは?災害やリスクに強い企業づくりの秘訣

2024.09.05更新

企業が生き残るためのBCM

BCM(事業継続マネジメント)とは

BCM(事業継続マネジメント)とは、企業が自然災害やサイバー攻撃などの危機に直面した際でも、事業を継続できるようにするための計画やプロセスを指します。特に、近年は台風や地震などの自然災害、さらにサイバー攻撃が増加しており、企業にとってのリスクは年々高まっています。これに対し、BCMの導入は、企業が生き残るために欠かせない要素となっています。

企業にとってのBCMの重要性

例えば、近年日本を襲っている台風や豪雨により、いくつかの企業は大きな損害を受けましたが、事前にBCMを適切に導入していた企業は迅速な対応を行い、事業の中断を最小限に抑えることができました。災害が避けられない現代において、BCMは企業の命綱とも言えるでしょう。

BCPを含む包括的なマネジメントプロセス

BCM(Business Continuity Management) は、BCPを含む、事業継続を管理するための包括的なマネジメントプロセスです。BCMは企業の全体的なリスク管理フレームワークであり、計画の策定(BCPの作成)、リスクの評価、対応策の実施、定期的な見直しや訓練など、事業継続のための長期的な戦略を含みます。

BCP(事業継続計画)とBCM(事業継続マネジメント)の主な違い

BBCP(事業継続計画)とBCM(事業継続マネジメント)の主な違いは以下です。

  • BCP(計画)は、具体的な行動計画であり、災害が発生したときにどう対応するかに焦点を当てています。
  • BCM(マネジメント)は、BCPの作成からリスク評価、実施、改善までを含む継続的な管理活動です。

具体的な例を挙げると、

  • BCPは、地震や火災が発生した場合に取る「避難経路や応急処置の手順書」。
  • BCMは、その手順書を作成し、社員に定期的に訓練を実施し、さらに定期的に内容を見直して改良していく「組織全体の管理活動」。

企業が効果的な事業継続を目指すには、BCPを実行に移すためのBCMが不可欠です。

BCMの基本的なステップ

1.リスク評価と分析

BCMは、いくつかの重要なステップから構成されています。まず最初に行うのが「1.リスク評価と分析」です。これは、企業が直面する可能性のあるリスクを特定し、それぞれのリスクがどの程度の影響を及ぼすかを評価するプロセスです。

2.事業影響分析(BIA)

次に、「2.事業影響分析(BIA)」が行われます。これは、事業の各部分が停止した場合に、どのくらいの影響があるかを分析するものです。このプロセスによって、企業はどの業務が最も重要であり、どの部分が迅速に復旧されるべきかを判断します。

3.対策の計画と実行

その後、実際の「3.策の計画と実行」に進みます。これは、特定したリスクに対する具体的な対策を計画し、実際に実行するステップです。たとえば、災害時に使える代替のオフィスを確保しておくことや、サーバーのバックアップをクラウド上に保存しておくことが含まれます。

4.テストと見直し

最後に、「4.ストと見直し」が非常に重要です。どれだけ素晴らしい計画を立てても、実際に機能するかどうかは定期的なテストによって確認される必要があります。また、状況が変われば計画も見直されるべきです。

近年のBCMの成功事例

2023年に日本を襲った強力な台風の際に、ある大手製造業のD社は、事前に代替工場を設置し、物流の中断を防ぐことに成功しました。この企業は、過去の災害経験をもとにBCMを徹底しており、今回の台風でもほとんどの事業を止めることなく運営を続けました。

また、COVID-19のパンデミック中、多くの企業がリモートワークに移行せざるを得なかった中、IT企業のI社は、BCMを通じて事前にリモートワーク環境を整備していたため、混乱なく事業を継続することができました。このような実例は、BCMがいかに企業の持続可能な成長に寄与するかを示しています。

最近のBCMトレンドは「DX×BCM」

現在のBCMにおいて注目されているのがデジタルトランスフォーメーション(DX)とBCMの連携です。

AIで気象データや市場データを分析して災害やサプライチェーンの中断を予測したり、企業の重要な生産データをクラウドに移行したり、リモートワーク+クラウドベースのコミュニケーションツールを導入したりすることがその例です。

また、ランサムウェアなどのサイバー攻撃への対応も重要です。企業はデジタル資産を守るために、サイバーセキュリティ対策とBCMを組み合わせた戦略を導入する必要があります。

サプライチェーンの中断リスクもまた、近年のグローバル化によって大きな課題となっています。特にパンデミック時には、国際的なサプライチェーンが大きな打撃を受け、多くの企業が代替供給源の確保に苦労しました。今後は、サプライチェーン全体にBCMを適用することが、さらに重要となってくるでしょう。

BCMを成功させるための実践的な方法

まず、BCMを成功させるためには、企業全体での意識向上が不可欠です。従業員全員がBCMの重要性を理解し、緊急時にはどのように行動すべきかを知っておく必要があります。これには、定期的な訓練やシミュレーションが有効です。

また、企業間の連携も重要です。サプライヤーやパートナー企業とも連携し、BCMに関する情報を共有することで、リスクの最小化を図ることができます。特に、中小企業の場合はリソースが限られているため、外部パートナーとの協力が事業継続の鍵となります。

今後のBCMと対応をお考えの企業様へ

今後も、企業が直面するリスクは増え続けることが予想されます。その中で、BCMを導入し、事業を持続させる能力は、企業の信頼性や競争力に直結します。これからの企業経営においては、BCMは単なる「リスク対策」ではなく、企業の未来を守るための必須要素です。

ローイット株式会社ではBCP策定の次の段階としてBCM導入を推奨しています。事業継続のためにBCMを適切に導入し、未来に備える一助となれば幸いです。

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